続きのお話です。
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「この色のラワンベニヤに、
この色の塗料を塗ったら、
仕上がりは、これくらいの色になるハズである」
そんな予想を立てられたら、
迷うことなく、余計な時間をかけずに、
効率的に着色塗装が出来ると思いました。
そのような塗装システムを作るため、
塗装サンプルを沢山作って、
ラワンベニヤとオスモカラーの相性を探りました。
ラワンベニヤの色は、
ロットによってバラバラなのですが、
工房の端材から拾っただけでも、9色が揃いました。
一番上の『無塗装』の通り、
赤みがあったり 黄みがあったり(=色相の違い)
明るかったり 暗かったり(=明度の違い)
清らかだったり 濁っていたり(=彩度の違い)
色々な違いがあるのです。
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色がバラバラなラワンベニヤを、
強い濃度の塗料でベタ塗りして、誤魔化した(?)のが
『着色塗装①』の例です。
ラワンベニヤが無塗装の状態で
どんな色だったとしても、
迷わずに塗ることは出来ますが、
元の色が、目標色に近い場合でも、
強い色で塗りつぶすことになります。
しかし私達は、
『自然が作り上げた木の表情を活かすこと』を
大切にしているので、
ベタ塗りをしたくありません。
そこで、
「このラワンベニヤは無塗装の状態で、
色の三属性(色相・明度・彩度)は、
それぞれどんな特徴を持っているの?」
そんな分析からスタートして、
「じゃあ、
三属性の何の要素を、どれだけ追加すれば
目標色に近づくの?」
と考えた上で、
塗料の配合を微調整して、
ラワンの質感を損なわない為にも、
最小限の塗料で 色を調和させようと試みたのが、
『着色塗装②~④』の例です。
あと一歩、
納得できない部分があったので、
4年前からカラーの勉強でお世話になっている
草木裕子先生のアトリエを訪問し、
アドバイスを受けて来ました。
(草木先生は、インテリアのお仕事歴も長く28年。
造作家具デザインをされています)
『ラワンベニヤの色を分析する為のツールと、表現方法』
『今回のシステムでは上手く仕上がらなかった色の、別の再現方法』
色々とアドバイスがいただけました。
アドバイス内容を参考にして、
あと数種類のサンプルを、追加で作る予定です。